ことばを学ぶうえで、文法がいかに重要であるかについては、わざわざ強調するまでもないでしょう。外国語を理解するにも、あるいは外国語で表現するにも、文法を知らなければ、相互に大きな誤解や混乱を生むおそれがあります。
　ところで、近年の大学における教育は、「平易さ」を旗じるしにして、そしてときには「学生の学力低下」を理由にして、教育内容を削減したり、一見新奇な提示方法に切りかえたりする傾向がみられます。残念ながら、語学教育にも同様の傾向がみられます。しかし、こと文法に関するかぎり、教育内容を削減してはかえってわかりづらくなるものと考えられます。文法は、いわば新たな世界の道案内ですから、詳細であるべきです。また、初歩的な内容といえども、文法体系全体のなかに位置づけられてはじめて意味をもつので、全体の見通しを知ることも必要です。
　そのようなことを意識しながら、この教科書をつくりました。毎週1～2回、1年間の授業をとおして、フランス語の文法をひととおり理解することをめざしております。文法事項の分類や用語などについてはフランス文法の伝統に準じておりますが、説明のしかたにはさまざまな工夫をこころみました。また、あまり初級文法の教科書にはのっていない事項も盛りこんでありますので、初級の学習が終わってからも、ひきつづき参考書として活用していただけます。
　本書は、一般的な初級の文法教科書にくらべると多くの内容を扱っております。時間の制約や、授業の進行の都合によっては、かならずしもすべてを授業のなかで説明する必要はありませんので、項目を取捨選択していただければと思います。ひとつの課の文法項目の解説・練習がまだ途中でも、その課の練習問題の一部が扱える場合がありますので、順序については柔軟にすすめることができます。また,各項目のねらいや留意点などをしるした教授用資料も用意いたしました。(まえがきより)
ISBN:978-4-86042-097-0

目次と内容

審査見本

音声A1 (トラック1−15)

音声A2 (トラック16−45)

音声A3 (トラック46−73)

音声B1 (トラック1−22)

音声B2 (トラック23〜42)

音声B3 (トラック43−57)

音声(オンライン)

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